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向川啓太

新年のご挨拶:2024年のre-start

新年あけましておめでとうございます。


昨年後半からのインバウンド回復に伴い、市中や観光地が活況を呈し、コロナ後の新たな始まりを実感する新年となりました。コロナ禍の記憶も少しずつ遠くなり、"エッセンシャルワーカー"という言葉に懐かしさを感じるにようになりましたが、この辛く大変な期間を通して、コンタクトセンターや顧客サポートの重要性がより強く認識されたと感じています。


生活者のデジタルシフトが進展し、コンタクトセンターの運用スタイルにも変化の兆しがあります。一部では電話窓口を廃止し、チャットやメールだけで対応するケースも出てきており、遅々として進まなかった「ノンボイス化」がここに来て急激に加速しました。


一方で、セルフサービスの利用が進んだ副作用として、有人窓口への問い合わせが複雑化し、オペレーターが疲弊している、といった声も多く聞かれるようになりました。" EX "と称してこうしたオペレーターを支援するソリューションも増えていますが、依然として効率化・生産性向上が目的であることが多く、今後は、物心両面へのアプローチが求められてきそうです。




テクノロジー面では、昨年は「生成AIをどう活用するか」というテーマに終始した1年だったと感じます。生成AIの得意・不得意領域が明らかになる中で、実務にアダプトするための技術面での制御や運用面での”割り切り”についてはもう一歩踏み込んだ議論とプラクティスが必要な状況です。


眼の前で迫られているDX化に対し、同時に出現した"生成AI"を結びつけて問題解決を図ろうという向きも多いですが、ベンダーの話を鵜呑みにすることなく、自ら手を動かしながらテクノロジーを理解し、冷静に自社に必要なテクノロジーを選択するといったスタンスが必要な年となりそうです。




"re-start"に向けて


SDIの活動を振り返ると、昨年は、2年連続で実施していたアワードイベントを休止する代わりに、生成AIをテーマにした「Support DX Summit - LLM Conference」を開催し、100名を超える参加者がオフラインに集いました。幹事企業を中心とした小規模のクローズド勉強会も開催し、生成AIだけでなく、メタバース、SDGsといったテーマについても議論を重ねています。


これまでSDIは幹事企業を中心に ”閉じた” 運営を行ってきましたが、2024年からはアドバイザリーとなる識者を集め、よりオープンなコミュニティ作りを進めていきます。当面は業界全体のイシューを積極的に取り上げ、クローズドな勉強会を定期的に開催することで、そこで得られた知見を発信して参ります。


今後とも、新しい価値や問題について議論する場を提供し、顧客サポートの業界が健全に発展することに貢献してまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。


一般社団法人サポートデジタル協会

代表理事 向川啓太







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